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  • 持続可能な水産養殖を支えるダイナミックポジショニングシステムの重要な役割

“ボタンを数回押すだけで業務を開始できるので、本当に助かりますね。”

Kongsberg Maritimeのダイナミック・ポジショニング(DP)システムは、船舶が錨を使用せずに、正確な位置とヘディング(船首の向き)を維持できるようにする最先端技術です。この技術は、多岐にわたるオフショア業務にとって不可欠な存在となっています。
DPシステムは、オフショアエネルギー分野のさまざまな用途で広く採用されているだけでなく、他の多くの船舶においても運用効率と安全性を高めるために活用されています。

例えば、水産業界では、サーモン養殖場に飼料を供給する給餌船の位置決めが、安全な運航において非常に重要な役割を果たしています。今回、ノルウェーのEgil Ulvan Rederi社が所有する最先端の給餌船「Oddrun With」 のクルーへの取材を通じて、DPシステムが水産業界にどのように貢献しているかを深掘りしました。

荒天時にも頼れるDPシステム:現場での声

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Siv Oldeide航海士:
DPシステムがなければ、これほど効率的な荷降ろしはできなかったでしょう。
養殖施設に近づくと、船の位置をDPで保持し、魚の餌を降ろすために使用するクレーンを操作することが私の仕事です。悪天候の中、ブリッジにいるのは私一人。船を安定させつつ、同時に魚の餌を降ろす必要があるため、DPシステムに完全に頼っています。
個人的には、DPシステムのユーザーインターフェイスは非常にシンプルだと思います。オフショア業界ほどDPを扱わない人にとって、このシステムは理解しやすいです。シンプルなシンボルが論理的に配置されており、設定や構成を見つけるためにどこへアクセスすればよいかが分かります。

Odin Hagan船長:
我々は、必要な位置に船を移し、それからDPに切り替えます。ボタンを数回押すだけで、基本的にはすぐに使えるので、非常に扱いやすいです。プラットフォームを係留する必要がなく、プラットフォームの隣に数千トンもの重量物があるため、設備や人に負担や危険を及ぼすこともありません。
手動で操縦するには、より集中力が必要です。DPシステムを使用すると、全体像を把握し、周囲で何が起こっているかを把握するための時間と能力が大幅に増加します。仕事が楽になり、安全に対してより重点を置くことできます。

洗練された制御

「Oddrun With」に搭載されたDPシステムの実力

全長86メートルの「Oddrun With」に搭載されたダイナミック・ポジショニング(DP)システムは、厳しい海象条件下でも最適な定点保持(ステーションキーピング)と優れた操縦性を実現します。
DPシステムは、船舶の位置と周囲の環境条件をリアルタイムで監視し、風や波、潮流などの外力を打ち消すために必要なスラスターの調整を自動的に計算します。これにより、手動での操作を最小限に抑えながら、船舶の安定性を確保することが可能です。


「Oddrun With」は2022年にトルコのTersan造船所で建造され、効率的かつ環境に配慮した運航を実現するために設計されました。この船は主にノルウェー沿岸のサーモン養殖場へ飼料を輸送する役割を担っています。

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Oddrun Withの主な特徴:
・120トン吊りの大型クレーンを搭載し、業界内での荷役能力を大幅に向上。
・液化天然ガス(LNG)を燃料として使用し、排出ガスを削減する環境に優しい設計。

Kongsberg Maritimeは、船舶運航の効率化と安全性の向上をサポートすることを使命としています。
ダイナミック・ポジショニング(DP)システムは、その理念を体現する代表的な技術であり、船舶が必要な場所に、最適なタイミングで確実に位置を維持できるよう支援します。
お客様の業務をよりスムーズかつ安全に進めるために、Kongsberg MaritimeのDP技術が貢献します。