近年、国内では再生エネルギーの導入が加速度的に進められており、洋上風力発電においては各地で発電設備の建設、運用が本格的に始まりつつあります。一方で、発電設備周辺海域における生態系保護・漁業共生も重要視されており、定量的な影響評価手法が要求されています。
特に導入が先行して進められている沿岸付近での着床式の風力発電設備では、杭打ち時の打設音や運転稼働中の振動音が水生生物への影響要因として懸念されています。周辺に生息している生物の減少や遡上、回遊経路の変化は、生態系や漁業への影響が考えられます。
また、漁業協調の側面では発電設備を漁礁として活用する案も検討されています。
洋上風力発電に起因する水生生物への影響評価もしくは発電設備の活用には、発電設備の建設前、建設中、運用時にわたって生物の行動を定量的に調査することが必要となります。
国内外において水生生物の行動を調査する方法としては音響テレメトリ—機器が広く活用されています。今後、加速度的に推進される洋上風力発電事業において、生態系の保護や漁業協調を目標とするうえで、音響テレメトリ—機器の必要性はより高まっていくことが考えられます。
日本の河川・湖沼・海あらゆる水域に世界の最新技術を提供する日本海洋は、洋上風力発電影響調査の一つの手法として、魚類の移動経路や行動パターン調査で活用されているInnovasea(旧Vemco)製音響テレメトリ—機器の活用事例を各ユーザー様向けにご紹介いたします。
洋上風力発電設備建設に伴う周辺海域の漁業影響評価
洋上風力発電事業者様
Innovasea(旧Vemco)製の音響テレメトリ—機器は生物に装着した発信機からの超音波信号を受信機で受信し行動を追跡することが可能です。受信機の電池寿命も長いため、洋上風力発電設備周辺海域において建設前から建設後、運用にわたる継続的な調査ができ、定量的な漁業への影響評価を行うことができます。
漁業関連事業者様、漁業協同組合様、水産試験場様
洋上風力発電設備周辺海域における漁業対象種水産資源の動向を調査するほか、発電設備を漁礁として利用するなど、漁業協調を目的とする発電施設を活用した新しい試みなどの評価にもご利用いただけます。
日本海洋がお届けするInnovasea(旧Vemco)製音響テレメトリ—機器を用いた行動追跡は、洋上風力発電事業の建設前、建設中、運用中において周辺海域に生息する水生生物への影響評価の一手法としてお客様を強力にサポートいたします。豊富なサイズとセンサーの組合せで様々な生物を対象に利用可能で、長期間の行動追跡調査に優れる本製品は、これからの洋上風力発電事業と漁業協調の可能性を切り拓きます。