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動揺検出器MRUの再校正ガイドラインと推奨間隔

動揺検出器(以下、MRU)は、内部センサーの特性が経年変化するため、安定した測定精度を維持するために定期的な再校正(較正)が推奨されます。MRUの再校正の頻度は、MRUの製造時期による世代・モデルおよび運用環境によって異なります。

再校正の基本方針

MRUの再校正は利用するシステムが要求する測定データの精度に応じて、適切な間隔を考慮する必要があります。以下に、メーカーが推奨する再校正の間隔を示します。表内の年数は、校正日からの年数を示します。

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上記の推奨事項は、ロールとピッチの測定精度が仕様範囲を満たすことが求められる用途に適用されます。ただし、MRU Zについては、ロールとピッチに加え、ヒーブ(上下動)の性能維持のために再校正が必要となります。

第5世代のMRUにおける再校正推奨時期

第5世代のMRUの再校正は、ロールとピッチの高い静的精度を必要とする用途に推奨されます。
以下の表は、経年変化による静的ロールとピッチの測定誤差の推移を示しており、システムの要求精度に応じた再校正時期の判断に活用することができます。

第5世代のMRU – 静的ロールおよびピッチ精度の経年変化

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動的なロール・ピッチ・ヘディングの測定精度は、長期間の使用によって大きく変化しないため、動的精度のみを必要とする用途では、再校正は必ずしも必要ではありません。
次のような用途では、定期的な再校正なしでも十分な性能が確保されます。

  • 漁業用ソナーの補正
  • オフショアクレーンのヒーブ補正
  • DPSにおけるGNSSアンテナのモーション補正
  • マルチビーム海底地形探査装置による定期的なパッチテスト
  • MRUが自動オンラインキャリブレーション機能(AOC)を備えたSeapathの一部である場合

MRUの校正証明書の有効性

製造されたMRUには個別の校正証明書が発行されます。この証明書は対象のMRUが満たすべきテスト要件と比較した際の性能が記載されます。また、校正日は校正証明書に印刷されます。最後の校正から長い時間が経過してもMRUは引き続き動作するため、証明書には有効期限は記載されておりません。
一方で、再校正を行わない場合、MRUが仕様範囲内の精度を維持しているかどうかの不確実性は、時間の経過とともに増加します。再校正が必要になる正確な時期は、実際の用途 (使用条件、すなわち熱サイクル、振動、衝撃) によって異なりますが、メーカーでは再校正を行うことを推奨しております。

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校正設備について

MRUの校正は、最適な性能と信頼性を確保するため、最新鋭の二軸校正機を6台使用します。これにはAccutronic社型の温度チャンバーが統合されており、このチャンバーでは、-45℃から+90℃までの温度テストが可能です。また、位置精度は3.00秒(角度)以下であり、加速度および重力の影響も測定されます。さまざまな速度、位置、温度で18時間にわたってデータを収集した後、校正装置は最終的な性能検証のために各MRUの静的および動的テストを実行します。テストの結果は、Seatex MRU用に特別に様式化されたMRU校正証明書に記載されます。証明書は本体と一緒に納品され、記載された精度の数値が正しいことを証明するものとなります。

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